4W2H法
更新日:10月14日
4W2H法は、問題解決やプロジェクト管理において非常に有効なフレームワークです。
この手法は、以下の6つの質問に答えることで、状況を明確にし、計画を具体化することを目的としています。
What(何を)
Why(なぜ)
When(いつ)
Where(どこで)
How(どのように)
How much(いくらで)
〈目次〉
4W2H法の具体的な事例や実際のビジネスシーンでの適用例
事例1: 新製品の開発
What: 新しいスマートフォンの開発
Why: 市場のニーズに応えるため
When: 来年の第3四半期までに
Where: 本社の開発部門で
How: 最新技術を取り入れた設計と製造プロセスを使用
How much: 予算は5000万円
事例2: マーケティングキャンペーン
What: 新製品のプロモーションキャンペーン
Why: 売上を20%増加させるため
When: 次の四半期の開始時
Where: 全国の主要都市
How: ソーシャルメディア広告とテレビCMを併用
How much: 予算は1000万円
■「Why」か「Who」か?
4W2H法に関して、「Why(なぜ)」ではなく「Who(誰が)」を含めるべきだと主張する意見もありますが、どちらが正しいかについては、使用する文脈や目的によって異なると言えます。
Why(なぜ)を含めることで、行動や決定の背景や目的を明確にすることができます。これにより、プロジェクトやタスクの意義を理解しやすくなります。
Who(誰が)を含めることで、責任の所在を明確にし、タスクの割り当てが明確になります。特にチームでの作業やプロジェクト管理において有効です。
どちらが正しいかは、使用する状況や目的によります。
・目的や背景を重視する場合: Why(なぜ)を含める。
・責任の所在を明確にする場合: Who(誰が)を含める。
両方の要素が重要な場合は、7つの質問(What, Why, When, Where, How, How much, Who)をすべて含めることも考えられます。これにより、より包括的な計画や問題解決が可能となります。
技法の適用範囲
4W2H法は、以下のような業界や状況で効果的です。
製造業: 新製品の開発や生産プロセスの改善
サービス業: 新しいサービスの導入や既存サービスの改善
マーケティング: キャンペーンの計画と実行
プロジェクト管理: プロジェクトの計画と進行管理
技法の限界や注意点
限界
複雑な問題には不向き
4W2H法はシンプルなフレームワークであるため、非常に複雑な問題には対応しきれない場合があります。
詳細な分析が必要な場合
具体的なデータ分析や詳細な計画が必要な場合には、他の手法と併用する必要があります。
※詳細な分析を行うための出発点としては有効です。
注意点
質問の明確化
各質問に対する答えが曖昧だと、計画全体が不明確になります。
具体的かつ明確な回答を心がけることが重要です。
定期的な見直し
計画は状況に応じて変化するため、定期的に見直しを行い、必要に応じて修正することが必要です。
具体的な手順やツールの紹介
手順
目的の明確化: まず、解決したい問題や達成したい目標を明確にします。
質問の設定: 4W2Hの各質問に対する答えを考えます。
情報収集: 必要な情報を収集し、各質問に対する具体的な回答を準備します。
計画の策定: 収集した情報を基に、具体的な計画を立てます。
実行と評価: 計画を実行し、その結果を評価します。
ツール
ホワイトボード: チームでブレインストーミングを行う際に有効です。
プロジェクト管理ソフト: TrelloやAsanaなどのツールを使用して、計画の進行状況を管理します。
スプレッドシート: 各質問に対する回答を整理し、計画を視覚化するために使用します。
■Trelloの具体的な使い方と4W2H法との連携方法
【基本構造】
1.ボード: プロジェクト全体を管理するための大きな枠組み。各ボードは特定のプロジェクトやテーマに対応します。
2.リスト: ボード内に配置され、タスクの進行状況やカテゴリを示します。例えば、「ToDo」「Doing」「Done」などのリストを作成します。
3.カード: リスト内に配置される個別のタスク。カードにはタスクの詳細、期限、担当者、チェックリスト、添付ファイルなどを追加できます。
【具体的な操作】
1.ボードの作成: 新しいプロジェクトを開始する際にボードを作成します。
2.リストの作成: プロジェクトの進行状況やカテゴリに応じてリストを作成します。
3.カードの作成: 各リストにタスクを示すカードを追加し、詳細情報を入力します。
4.カードの移動: タスクの進行に応じてカードをリスト間で移動させます(例:ToDoからDoingへ)
【Trelloでの連携】
1.What: カードのタイトルや詳細にタスク内容を記載。
2.Why: カードの説明欄にタスクの目的を記載。
3.Who: カードに担当者を割り当て。
4.When: カードに期限を設定。
5.How: チェックリストや添付ファイルで具体的な手順や資料を追加。
6.How much: カードのコメント欄やカスタムフィールドでコストやリソースを記載。
これらのツールを4W2H法と連携させることで、タスクの明確化と効率的な管理が可能になります。
4W2H法は、シンプルでありながら効果的なフレームワークです。
適切に活用することで、ビジネスの様々な場面での問題解決や計画策定に大いに役立ちます。
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