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執筆者の写真ふかや経営サポート

短期継続融資



普段、YouTubeチャンネルで大変勉強になっている、「脱・税理士スガワラくん」チャンネルですが、あらためて「スガワラ」先生(この方をどうお呼びすればよいかについては、「さかなクン」と同じ葛藤が生まれる)のThreadsに、この短期継続融資のお話が出てきたので、勉強のために、おさらいしたいと思います。


 

〈目次〉

 
短期継続融資


短期継続融資は、企業が運転資金を確保するための短期的な融資手法であり、主に以下の特徴とメリットがあります。




短期継続融資の概要

 
  • 返済方法:

    短期継続融資は、利息のみを支払い、元本の返済を実質的に行わない形で継続することが可能です。

    これは、売上金の回収を返済原資とするため、事業が継続する限り返済の必要がないという特性があります。


  • 契約期間:

    通常、短期継続融資は契約期間が1年以内で、期日一括返済が基本です。

    これに対し、長期融資は返済期間が1年を超え、分割返済が一般的です。



  • 無担保・無保証:

    短期継続融資は無担保・無保証で提供されることが多く、企業にとっては資金調達のハードルが低いです。

    これに対し、長期融資は通常、担保や保証人が必要です。


※短期継続融資の金額計算
短期継続融資の金額計算は、企業の運転資金の必要額を基に行われます。
以下に、短期継続融資の金額計算に関する基本的な考え方と手順を説明します。

【短期継続融資の金額計算の基本】
1.正常運転資金の算出:
短期継続融資の金額は、企業が日常的に必要とする運転資金、すなわち正常運転資金を基に決定されます。正常運転資金は、売掛金、棚卸資産、買掛金などのバランスを考慮して算出されます。

2.計算式:
正常運転資金は以下のように計算されます:
正常運転資金 = 売掛金 + 棚卸資産 - 買掛金
ここで、売掛金は顧客からの未回収金、棚卸資産は在庫、買掛金は仕入先への未払い金を指します。

3.資金需要の見積もり:
企業は、売上の回収サイトや仕入れの支払いサイトを考慮し、どれだけの資金が必要かを見積もります。例えば、売掛金の入金が遅れる場合、仕入れ代金を先に支払う必要があるため、その差額を短期継続融資で補填することが求められます。

【具体的な計算例】
例:
売掛金: 500万円
棚卸資産: 300万円
買掛金: 200万円
この場合、正常運転資金は次のように計算されます:

正常運転資金 = 500万円 + 300万円 - 200万円 = 600万円
したがって、短期継続融資の金額としては600万円が必要となります。

【注意点】
・資金の流動性:
短期継続融資は、運転資金の流動性を確保するための手段であり、企業は売上の回収が遅れる場合に備えて、十分な金額を計算する必要があります。

・金融機関との連携:
融資を受ける際には、金融機関に対して事業の状況を定期的に報告し、必要な資金額を適切に説明することが重要です。これにより、融資の承認が得やすくなります。



メリット

 
  • 資金繰りの安定

    短期継続融資を利用することで、企業は毎月の元本返済を避け、利息のみを支払うことで資金繰りを安定させることができます。

    これにより、運転資金を確保しやすくなります。


  • 柔軟性

    企業の状況に応じて融資を更新できるため、季節性のある事業や変動の大きい業種にとって非常に有用です。


  • 金融機関との関係構築

    短期継続融資を通じて、金融機関は企業の業況を定期的に確認し、適切な支援を行うことができます。

    これにより、企業は金融機関との信頼関係を築くことが可能です。


※「実質的に超・長期借入金」と形容されることもあります。
[出典]:短期継続融資の活用が、財務改善のチャンスになる!(松崎淳税理士事務所)



デメリット

 
  • 返済の不確実性

    短期継続融資は、金融機関の判断に依存するため、継続が保証されているわけではありません。

    債権者が融資の更新を拒否した場合、元本返済が求められることがあります。


  • 短期的な視点

    1年以内の契約であるため、長期的な資金計画を立てる際には注意が必要です。

    特に、経済状況や業績に応じて融資条件が変わる可能性があります。





他の融資手法との比較

 
  1. 短期借入(手形貸付、当座貸越など)

    返済の頻度:

    短期借入は、一般的に元本の返済が必要であり、毎月の返済が求められます。

    これに対し、短期継続融資は利息のみの支払いで済むため、資金繰りが楽になります。


    資金の用途:

    短期借入は運転資金の調達に使われることが多いですが、短期継続融資は特に事業が継続する限り、資金の流動性を高めるために利用されます。



  2. 長期融資(証書貸付など)

    返済期間:

    長期融資は返済期間が1年以上で、通常は分割返済が求められます。

    短期継続融資は短期間での資金調達を目的としており、返済の柔軟性が高いです。


    審査基準:

    長期融資は、企業の長期的なキャッシュフローや収益性が重視されるため、審査が厳しくなる傾向があります。

    一方、短期継続融資は、事業の継続性に基づいて融資が行われるため、比較的審査が通りやすいです。



  3. ファクタリング

    資金調達の仕組み:

    ファクタリングは、売掛金を早期に現金化する手法であり、売掛金の譲渡によって資金を調達します。

    短期継続融資は、売上金の回収を待つことなく、運転資金を確保するための手段です。


    コスト:

    ファクタリングは手数料が発生するため、コストが高くなることがありますが、短期継続融資は利息のみの支払いで済むため、コスト面でのメリットがあります。






まとめ

 

短期継続融資は、利息のみの支払いで元本返済を実質的に行わずに資金を調達できる点が大きな特徴です。


他の融資手法と比較して、資金繰りの柔軟性が高く、特に運転資金の確保において有効な手段となります。


ただし、企業が運転資金を効率的に管理するための重要な手段ですが、その利用にはリスクも伴います。


企業は自身の状況をよく考慮し、適切な資金調達方法を選択することが求められます。



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