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執筆者の写真ふかや経営サポート

パーパス経営①(パーパス、ドリーム、ビリーフ)

更新日:10月14日

『パーパス経営―30年先の視点から現在を捉える』

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経営理念として、ミッション(Mission)・ビジョン(Vision)・バリュー(Value)を掲げてきました。それが今やパーパス(Purpose)・ドリーム(Dream)・ビリーフ(Belief)にシフトしています。前者は外発的、後者は内発的なものです。

【「パーパス経営」とは。【第1回】なぜ世界はパーパス経営に注目するのか】




近年、企業経営の世界で「パーパス経営」という概念が注目を集めています。

これは従来の経営理念である「ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)」に代わる新しいアプローチとして提唱されています。


しかし、この新しい概念は本当に必要なのでしょうか?

また、日本の企業、特に中小企業にとってどのような意味を持つのでしょうか?

※MVVとパーパス経営が相互に排他的というわけではありません。
パーパス経営はMVVと類似した概念であり、完全に置き換わるものではないものです。
実際には、両者は補完的に機能することができ、企業はMVVを基盤にしながら、パーパス経営を取り入れることが可能です。

 

〈目次〉

 
パーパス経営①(パーパス、ドリーム、ビリーフ)


従来のMVVと新しいパーパス経営の比較

 

従来の経営理念:

1. ミッション(Mission):企業の存在意義

2. ビジョン(Vision):将来のあるべき姿

3. バリュー(Value):企業の価値観


新しいパーパス経営:

1. パーパス(Purpose):企業の存在意義

2. ドリーム(Dream):大きな夢や目標

3. ビリーフ(Belief):信念や価値観


一見すると、両者は似通った概念に見えますが、重要な違いがあります。

MVVが比較的外発的な概念であるのに対し、パーパス経営はより内発的な性質を持っています。


つまり、パーパス経営は企業や個人の内面から湧き上がる動機や信念に基づいているのです。

※もちろん、単純な二分法ではありません。MVVも内発的動機を含むことがあり、パーパス経営も実際には、内発的な側面と外発的な側面の両方を持ち合わせています。



パーパス経営が注目される理由

 
  1. 長期的視点:

    パーパス経営は長期的な視点を重視します。

    これは短期的な利益追求に偏りがちな従来の経営手法とは一線を画しています。


  2. 社会との共生:

    企業の存在意義を社会との関係性の中で捉え直すことで、持続可能な経営を目指します。


  3. 従業員のモチベーション向上:

    内発的な動機付けを重視することで、従業員の自主性と創造性を引き出します。


  4. ステークホルダーとの関係強化:

    企業の目的や夢を明確に示すことで、顧客、取引先、投資家などとの信頼関係を深めることができます。





中小企業におけるパーパス経営の現状と課題

 

筆者の感覚にはなりますが、パーパス経営の概念は日本の中小企業の現場にまで十分に浸透しているとは言い切れません。


これには以下のような理由が考えられます。


  1. 言語の壁:

    MVVもパーパス経営も核となる概念が英語であり、日本の中小企業にとってはなじみにくい面があります。


  2. 抽象的な概念:

    これらの概念は具体的な業務とどのように結びつくのか、イメージしづらい部分があります。


  3. リソースの制約:

    中小企業では日々の業務に追われ、長期的な経営理念を構築する余裕がない場合も多いでしょう。


  4. 必要性の認識不足:

    経営理念の明文化が企業にもたらす具体的なメリットが十分に理解されていない可能性があります。





パーパス経営の導入に向けて

 

しかし、だからこそパーパス経営の考え方は中小企業にとって重要な意味を持つ可能性があります。

以下のようなアプローチが考えられます。


  1. 日本語での表現:

    「存在意義」「夢」「信念」など、日本語で分かりやすく表現することで、社内での理解と共感を得やすくなります。


  2. 具体例の提示:

    抽象的な概念を具体的な事例や行動指針に落とし込むことで、日々の業務との関連性を明確にします。


  3. 段階的な導入:

    いきなり全てを導入するのではなく、まずは「パーパス(存在意義)」の明確化から始めるなど、段階的なアプローチも有効でしょう。


  4. 従業員との対話:

    経営者だけでなく、従業員を巻き込んで対話を重ねることで、より実効性の高い経営理念を構築できます。


  5. 外部支援の活用:

    専門家のアドバイスを受けることで、自社の特性に合わせた効果的な導入が可能になります。





まとめ「パーパス、ドリーム、ビリーフ」の本質を理解する

 

パーパス経営は単なる流行ではなく、激変する社会環境の中で企業が持続的に成長するための重要な指針となり得るものです。

しかし、その導入に当たっては、自社の実情に合わせた柔軟なアプローチが必要です。


重要なのは、「パーパス」「ドリーム」「ビリーフ」という言葉にこだわることではなく、その本質を理解し、自社なりの形で実践することです。

30年先を見据えた長期的視点、社会との共生、従業員の内発的動機付けという核心を押さえつつ、自社の言葉で表現し、実践していくことが求められます。


中小企業にとっては、これらの概念を一朝一夕に導入することは難しいかもしれません。

しかし、長期的な視点で自社の存在意義を見つめ直し、それを社内外に明確に示していくことは、今後ますます重要になってくるでしょう。

パーパス経営の本質を理解し、自社なりの形で取り入れていくことが、持続可能な経営への第一歩となるのではないでしょうか。



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