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執筆者の写真ふかや経営サポート

スキルマップと職業能力評価基準

スキルマップと職業能力評価基準

スキルマップ

スキルマップとは、組織内の従業員が持つスキルや能力を可視化するためのツールです。

具体的には、業務に必要なスキルを洗い出し、それぞれの従業員がどのスキルをどの程度持っているかを一覧表にまとめたものを指します。

このマップは、従業員のスキル状況を把握し、計画的な人材育成や適切な人員配置を行うために利用されます。


職業能力評価基準

職業能力評価基準とは、仕事を遂行するために必要な「知識」「技術・技能」、および「成果につながる職務行動例」を業種や職種、職務ごとに整理した基準です。

この基準は、従業員の能力を客観的に評価するための指標として機能し、企業の人事評価や採用基準、教育プログラムの設計に活用されます。



今風でいえば「スキルマップ」、厚労省が蓄積したデータを活用できるのが「職業能力評価基準」といえます。


しいていえば、

□スキルマップ・・・個々の従業員のスキルを可視化することに重点を置いている。


□職業能力評価基準・・・職業ごとに必要な能力を整理し、評価することを重視する。


という違いがありますが、厚労省は、職業能力評価基準を踏まえて「キャリアマップ」(≒スキルマップ)という枠組みも用意しています。


そこで、厚生労働省の職業能力評価基準のWebサイトを見ながら、その活用法を検討していきたいと思います。


「職業能力評価基準」とは、仕事をこなすために必要な「知識」と「技術・技能」に加えて、「成果につながる職務行動例(職務遂行能力)」を、業種別、職種・職務別に整理したものです。
 平成14年度から、業種横断的な事務系職種のほか、電気機械器具製造業、ホテル業などものづくりからサービス業まで幅広い業種を整備しており、公的な職業能力の評価基準です。
この基準は、業界内での標準的な基準であるため、各企業で適宜カスタマイズしてご活用してください。

[出展:厚生労働省]



 

〈目次〉

 




職業能力評価基準とは

 

まずは「職業能力評価基準の策定業種一覧」を見てみましょう。


※職業能力評価基準の策定業種一覧

職業能力評価基準の策定業種一覧

[出展:厚生労働省]

※各業種の職業能力評価基準をチェックすることができる。


私自身の業種はなんだろうと考えて、バシッとハマるものがないのですが、とりあえず「市場調査業」かなと思い、そちらを選択してみます。



※市場調査業のページ

市場調査業のページ

[出展:厚生労働省]


そうすると、「全体構成」と「レベル区分」、それから「能力ユニット」が職種別に細かく設定されています。


※共通能力ユニット

共通能力ユニット

[出展:厚生労働省]

※選択能力ユニット(全4種のうちの1種)

選択能力ユニット

[出展:厚生労働省]





全体構成について

 

職業能力評価基準の全体構成として、市場調査業は4つの職種、6つの職務が設定されており、レベル区分としてはレベル1からレベル4まで設定されています。

全体構成

[出展:厚生労働省]

※グレーに塗りつぶされたセルは、能力ユニットの設定があるセルになります。



職種のうち、「調査実務」が自分の現在担当するカテゴリだったと仮定して、該当するタブを開きます。

調査実務
調査実務 選択

[出展:厚生労働省]

※細かく、能力ユニット(その職種・職務を構成する要素)が記載されています。



調査実務の実査職務のうち、能力ユニット「サンプリング」はどのようなものか見てみましょう。


市場調査業のWebサイトに戻り、「選択能力ユニット(調査実務職種)」のサンプリングを選択すると、Excelファイルがダウンロードされます。

選択能力ユニット(調査実務職種)

サンプリング
必要な知識

[出展:厚生労働省]


※能力ユニット「サンプリング」

・概要:

サンプリングに関連する基礎的知識を背景に、上司の指示・指導を受けつつ、定型的・類型的な調査において適切なサンプリング業務を行う能力。


・必要な能力:

1.確率サンプリング

・単純無作為抽出

・系統抽出

・クラスターサンプリング

・層化抽出

・二段抽出

・二相抽出

2.非確率サンプリング

・割り当てサンプリング

・スノーボールサンプリング

3.統計に関する知識

4.個人情報管理に関する知識



ということで、象徴的なスキルは、上記の「必要な能力」になりますが、仕事として完遂するには能力細目から「職務遂行のための基準」を満たしているかチェックする必要があるということになります。




レベル区分について

 

市場調査業のレベル区分についても見てみましょう。

レベル区分

[出展:厚生労働省]


自社の従業員が現在どのレベルにあるのか、についての目安になります。

あくまで目安であり、ガチガチに規定することは難しいと思ますが、参考値ということで、従業員本人と評価者と認識合わせの一環として用いることになるかと思います。





キャリアマップについて

 

これらを視覚的に整理したのが、キャリアマップになります。


こちらのページには、キャリアマップまで整理されている業種はまだ、限られています。例えば、事務系職種全般のキャリアマップを見てみましょう。

事務系職種キャリアマップ

ということで、従業員の方にとっては、今後、この会社でどのように進んでいくのか、またどのように能力形成を求められるのか、あるいは能力形成すべきなのか、が視覚的に見えるようになっています。


ちなみに、市場調査業については、先述した「レベル区分」のPDFに、キャリアマップが掲載されていました。

実査職務
集計・解析職務

ということで、ほぼすべての職種において、キャリアマップまで網羅されています。

仮に自社の職務がこちらに該当しない場合でも、類似する職種を参考に、職業能力評価基準とキャリアマップを自作することは可能です。





まとめ

 

自社における人事評価制度の整備状況において、スキルマップを作成するのか、職業能力評価基準を整備するのか、決めていただければと思います。


厚生労働省は職業能力評価基準を踏まえたキャリアマップを提供しており、自社のスキルマップを作成する際にも、これらは十分に活用することができます。





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