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「経営」はどこで、どうやって身につけるのか(その1)

更新日:10月14日

今回は、多くの経営者や後継者の方々が抱える疑問、「経営力をどのように身につければよいのか」というテーマについてお話しします。



 

〈目次〉

 


「経営」はどこで、どうやって身につけるのか(その1)

経営とはなにか

 

まずは、前提知識から確認していきます。

(回りくどいですが、ご容赦ください)


ネットで「経営」と検索すると、以下のように表示されます。


経営の意味







一般的に「経営」とは、組織の目標を達成するために、ヒト・モノ・カネ・情報などの経営資源を効果的に活用し、計画・組織化・指揮・統制を行うことです。


つまり、会社という船の舵取り役を務めること、といえるでしょう。


ところで、私には、これでも、イマイチ「経営」の意味が掴めません。


「事業を営むこと」では単純すぎるし、「ヒト・モノ・カネ・情報などの経営資源を効果的に活用し、計画・組織化・指揮・統制」といわれても、こちらはこちらで理解しにくいのです。


「経営」という営みが、しっかり腹落ちしないのです。




経営者の仕事とはなにか

 

「経営」を理解するために、「経営者のやるべきこと」という側面から整理したいと思います。


経営者の仕事は多岐にわたりますが、主に以下の5つの重要な役割に集約されます。


経営方針の策定

経営者は企業のビジョンや目標を設定し、それに基づいて経営戦略を立てます。

これにより、企業全体の方向性が決まります



資金調達

事業を運営するためには資金が必要です。

経営者は株式発行や借入、補助金などを通じて資金を調達し、事業活動を支えます



人材育成と評価

経営者は従業員の育成や評価を行い、企業文化を形成します。

特に中小企業では、経営者自身が直接関与することが多く、社員の成長が企業の成長に直結します


そもそも、中小企業においては「一番の稼ぎ頭は社長」というケースが数多く見受けられます。


事業の推進

経営者は新規事業の立ち上げや既存事業の拡大を推進します。

市場のニーズを把握し、適切な戦略を実行することが求められます



労働環境の整備

従業員が快適に働ける環境を整えることも重要です。

労働条件や福利厚生の充実を図り、社員のモチベーション向上につなげます



ところで、この5つについて、中小企業においても、社長自身が実行しているケースはそれほど多くないと思われます。


実務的な面では、部長クラスにある程度まで権限委譲しているはずです。


さらに進んで、「社長にとって、社長しかできない事柄はなにか?(≒中小企業の「経営」とはなにか?)」を紐解きます。





経営者しかできない仕事はなにか?

 

経営者しかできない仕事は、企業の成功と持続可能性に直結する重要な役割を担っています。


以下に、経営者の特有の責任と役割を詳述します。


決断すること

経営者の最も重要な仕事は、様々な選択肢の中から最適なものを選ぶ「決断」です

特に中小企業や個人事業主の場合、限られた資源の中で何をやるか、何をやらないかを決めることが重要です。

この決断にはリスクが伴い、経営者の責任として非常に重いものです。



責任を負うこと

経営者は組織のトップとして全ての責任を負います。

部下や外部環境の影響を受けた結果であっても、最終的には経営者がその責任を取る必要があります。

これにより、経営者は孤独でありながらも、組織全体のマネジメントやリスクヘッジを行うことが求められます



方向性を示すこと

経営者は組織の進むべき方向性を示す役割を担っています。

社員や取引先に対して「どこに進みたいのか」を明確にし、組織全体を導く必要があります

方向性が不明確だと、組織内で整合性のない動きが生じる可能性があります。



これらの役割は、経営者としての役割を果たす上で不可欠であり、他のメンバーには代替できない特有の責任と権限を伴います



ということで、大雑把に捉えると、「経営」とは「決断する能力」+「責任を負う姿勢」+「方向性を示す能力」、この3つの資質を中心とした、派生的な営みであるといえそうです。





3つの資質

 

3つの資質について抑え直しましょう。


「決断する能力」を育むには


・自己認識を高める:

 自分の価値観や感情を理解する


・多様な視点を考慮する:

 他者の意見や経験を取り入れる


・リスクと利益を評価する :

 感情に流されずに論理的に考える


・反省と学び :

 過去を振り返り、その結果から学ぶ


「決断する能力」において特徴的なものは「リスクと利益を評価する」こと。
この点において、計数感覚や財務知識は、間違いなく必要なスキルであるため、「経営」を身につけるには、必ず勉強する必要があります。


「責任を負う姿勢」を育むには


・挑戦に身を置く:

 少し難しい課題に挑む


・協力を促進する:

 社内外で他者との協力や共同作業を行う


・フィードバックを受ける:

 他社からどのように行動が評価されるかを知る


・模範となる:

 自ら責任ある行動を示すよう意識する


「責任を負う姿勢」は「挑戦に身を置く」ことで養われます。
守りの姿勢では、責任感も減退していくということなのですね。
その意味で、定期的に目標を設定し、挑戦しがいのある課題に取り組むことが重要です。


「方向性を示す能力」を育むには


・明確なビジョンの設定:

 目指すべきゴールや目的を具体的に示し、関与する人々に共通の理解を提供する


・コミュニケーションの強化:

 自分の考えやビジョンを明確に伝え、意見交換を促進する


・目標設定と進捗管理:

 具体的な目標を設定し、その達成度を定期的に評価する


ゴールや目的、自分の考えを、わかりやすく社内外の利害関係者に伝えることが重要です。
そのためには、ビジョンや理念などをあらかじめ設定しておくことが有効です。



ここまでのまとめ

 

今回は、「経営」あるいは「経営者の仕事」を深堀りして見てきました。


経営者の仕事は数多くあれど、経営のおおもとは、「決断・責任・方向性」の3つの資質が重要であることが、わかりました。


次回は、「どこで、どうやって身につけるのか」の点について、お伝えしたいと思います。






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